今年5月31日に開催予定だった「足立の花火大会」ですが、2024年に続き2年連続の中止となってしまいました。
今年は、千住宿開宿を記念して例年の13,000発+1,010(センジュ)発の合計14,010発の圧倒的数量の花火を予定していましたが、非常に残念です。
一部ネットでは「呪われた花火大会」と言われるほど開催率が低く、気になったので調べてみました。
足立の夏の風物詩「足立の花火」とは?

「足立の花火」は、東京都足立区で毎年開催されている伝統ある花火大会で、1時間のうちに13,000発以上を打ち上げる大迫力・高密度が魅力の花火大会です。
足立区観光交流協会のサイトにて、起源についてこのように書かれていました。
「足立の花火」の起源は、明治年間に千住大橋の落成を祝って、花火を打上げたのが始まりだと伝えられています。
足立区観光交流協会のサイト
そして、大正13年8月13日、千住新橋の開通を記念して、「千住の花火大会」という名称で足立区に登場し、本格的に開催されました。
戦争や荒川河川改修などにより、一時期開催していない時期もありましたが、前身である「千住の花火大会」が本格的に開催されてから約100年の歴史がある花火大会です。
例年、13,000発もの花火が打ち上げられる迫力満点のイベントで、都内でもトップクラスの人気を誇ります。
例年、約70万人以上の観客が訪れる大規模イベントであり、地元だけでなく遠方からの観光客にも愛されてきました。
開催時期は毎年7月下旬と比較的早めで、東京の「夏の花火シーズン」を告げる存在とも言われています。
しかし、熱中症等の健康上のリスクや天候(風雨、雷、台風、気温など)による中止リスクを考慮して、今年は5月に開催となりました。
令和以降の開催状況:なんと開催率30%以下!?
2024年に続き2年連続の中止となった「足立の花火」ですが、実は令和に入ってからの中止率が異常に高いんです。
以下は、令和元年(2019年)以降の開催・中止状況です:
年度 | 開催有無 | 備考 |
---|---|---|
令和元年(2019年) | 開催 | 通常通り開催 |
令和2年(2020年) | 中止 | 新型コロナウイルスの影響 |
令和3年(2021年) | 中止 | 新型コロナウイルスの影響 |
令和4年(2022年) | 中止 | 新型コロナウイルスの影響 |
令和5年(2023年) | 開催 | 4年ぶりの開催 |
令和6年(2024年) | 中止 | 雷を伴う荒天のため中止 |
令和6年(2024年) | 中止 | 強風により、花火の残滓(燃えかす)が民家へ落下する可能性が高いため中止 |
令和になってからの開催回数はわずか2回(2019年と2023年)。
中止は5回。開催率はわずか約29%、中止率は約71%です。
今年も中止が決定、、、その理由とは?
今年は、当日の朝から雨が予想されていましたが、開催本部からは直前まで決行すると発表がでていました。
5/31 09:00時点:本日の「足立の花火」は雨天が予想されますが、開催を予定しております。
この時点で、すでに会場にはぬかるみや水たまりがあり、長靴、レインコートの着用・準備のアナウンスがありました。
5/31 15:00時点:本日の「足立の花火」は雨天が予想されますが、開催を予定しております。
この時点でも天候は好転せず。
むしろ風の影響により、19:48ごろから予定していた「第3幕:ダブルナイアガラ」は中止となりました。
5/31 17:30時点:本日の「第47回足立の花火」は強風のため中止いたします。
ここで、いよいよ中止の発表がありました。
近藤区長も「昨年の分も楽しんでいただきたい」とコメントをしており、今年はなんとか実施したいという気持ちが表れていましたが、天候だけには敵わなかったようです。
苦渋の決断だったかと思いますが、安全を考慮した素晴らしい判断だったと思います。
延期はいつ?なぜ延期ではなく中止なのか?
今年に限らず「足立の花火」は、荒天の場合は中止となり、延期・順延はありません。
地方の花火大会などは、雨天延期ということもありますが、足立区では平成28年(2016年)の第38回以来、そもそも順延は予定しておりません。
仮に翌日に順延となった場合、前日と同様の警備体制が確保できず、安全面での不安が残るためとのことです。
区としての責任を考えるとしょうがない部分もあります。
使用しない花火はどうなるのか?
昨年もあえなく中止となってしまった「足立の花火」。
開始25分前に急遽中止の発表となり、その後、激しい雨に見舞われ、濡れてしまった花火もあったとのことですが、打ち上げなかった花火はどうなるのでしょうか?
雨に濡れていなければ後日行われる別の祭りや、延期した際に使用されるそうです。
ですが、塗れてしまった花火は、手作業で解体するしかないそうです。
花火師の方へのインタビュー記事がありました。
「すべての花火について、濡れていないか目視によって確認しました。また、打ち揚げ筒の内側が湿っていたり、筒の上部や蓋が濡れていたら、花火玉自体が濡れていなくても再利用できないと判断しています。
仮に、一度濡れた花火を再利用したとなると、花火が上空で開かず地上に落ちてくる危険があります。せっかく手塩にかけて作った花火ですし、非常にもったいないのですが、安全を最優先に考えると廃棄せざるを得ない状況です。
万が一にでも、その花火で誰かが怖い思いをすることになれば、我々は一生後悔することになります」
急きょ”中止になってしまった花火大会の花火はどこへ・・・?「自分たちの手で解体することも」花火師の想い
花火を楽しみにしていた我々が悲しいのはもちろんですが、花火師さんもより心苦しいようです。
有料観覧席の払い戻しはどうなる?
今回の払い戻しについてはまだ情報が出ていません。
昨年は7月20日(土)開催予定でしたが中止となりましたが、翌日の21日には特設サイトにて払い戻しについての案内が出ています。
ちなみに、昨年の払い戻し期間は「令和6年7月23日(火)10:00から令和6年8月30日(金)22:00まで」となっていました。
したがって、今年も数日以内には、払い戻しについての案内が出されるでしょう。
また、昨年から考えると、今年の払い戻しの期間は「令和7年6月初旬頃から令和7年7月中旬まで」と予想されます。
2026年の開催はいつ?
例年7月下旬の開催のところ、熱中症・天候リスクなども考慮して5月開催としましたが、今年もあえなく中止。。。
次は、何月になるか気になるところです。
現時点では、2026年の開催情報は発表されていません。
2025年の開催予定日については、2024年12月3日に発表されていました。
2026年の開催についても、年末ごろには発表されると予想されます。
楽しみに待ちましょう!
2026年こそは拝みたい!「呪われた花火大会」を払拭!
足立の花火大会は、多くの人にとって「夏の始まりを告げる風物詩」でした。
それだけに、2年連続の中止は本当に残念なニュースです。
しかし、安全対策を無視しての強行開催は逆に信頼を失うことにもつながります。
区長、足立区の中止の判断は素晴らしいものかと思います。
2026年こそは、夜空を彩るあの大輪の花が帰ってくることを期待したいですね。
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